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電通九州の、広告に頼らないソリューションとは?~持続的成長のための、人事制度改革~

◆ 課題 上場企業にふさわしい組織基盤づくり、ガバナンス強化。
◆ 施策 未来ビジョンを定め、そこから逆算して人事制度を設計しなおす。 プロジェクト開始にあたり、次世代を担う副社長を筆頭に、公募による幹部候補社員と「タスクフォース」を組成。プロジェクトにおいては「人事マネジメントポリシー」の策定を起点に、「基幹人事制度(等級・評価・報酬)」の改訂案を策定。終了後も「制度検証」や「導入支援」を担い(電通ビジネスデザインスクエア)、社内風土改革やマーケティング支援(電通九州)、事業開発(電通ビジネスデザインスクエア)等を支援。
◆ 効果 自分たちの「立ち返る場所」ができ、不満の出にくい制度になった。

世界の広告代理店の中でも、トップクラスの売上高を誇る電通グループ。そのソリューションは、「広告」にとどまりません。企業の持続的成長を促すさまざまな支援を行う中、近年特に需要が高まっているのが、組織を内側(インナー)から動かし、組織風土や人事制度を再構築するインナーアクティベーション。組織の拡大に伴う“成長痛”を、どのように乗り越えるのか。ジェイリースと電通九州がタッグを組んで行った人事制度改革ついて、お伝えします。

九州ローカル企業からの脱皮

2004年に大分県で設立された、ジェイリース株式会社。家賃保証業を軸とし、きめ細やかな顧客対応が支持され、全国に拠点を展開。社員十数名の中小企業から400名規模まで拡大し、東証プライム上場を果たした中で、課題となったのが組織の内部体制でした。

山﨑さま
「創業から20年を迎えて、旧来の制度に限界が来ていたというのが、正直なところです。これまでは社長の強力なリーダーシップにより組織を統率してきましたが、小さなほころびはあちこちに感じていました」

そのほころびは、社員の不満という形で顕在化します。「この手当は何を意味しているのか」「評価基準が不透明ではないか」など、社員のモチベーションにも影響し始め、抜本的な対策が必要でした。そこで山﨑さんは2020年秋、電通九州に相談しました。

「電通といえば広告のイメージですが、その課題解決力やアイデアを生かせば人事制度の刷新もきっと対応いただけると、期待がありました」

電通九州とジェイリースの付き合いは、2017年に始まりました。Webサイトの制作をきっかけに、いまではテレビCMやインターネット広告などのマーケティング全般のお手伝いをしていますが、担当の鶴は、企業の持続的成長に資する新たな価値創造をずっと模索していたと言います。

動画のサムネイル


「私自身、広告の仕事を多く担当してきましたが、同時に広告に閉じない企業支援のあり方も常に探していました。電通グループとしても、IGP(Integrated Growth Partner)というビジョンを掲げ、広告の枠にとらわれない課題解決を目指しています。ですからジェイリースさんから相談を受けた時、これこそ私が取り組むべき仕事だと感じたんです」

電通九州 ビジネスプロデュース局 鶴 慶太郎

将来のありたき姿と、現状のズレを知る

人事制度の刷新は、社員一人ひとりに直接関わること。勤労意欲にも大きく影響するため、繊細なコミュニケーションが必要になります。2020年10月から、ジェイリースと電通九州、さらに同グループの電通ビジネスデザインスクエアとの3社で進められたこのプロジェクト。具体的にはどのように進行していったのでしょうか。

山﨑さま
「初回の提案で、こんな話がありました。『人事制度の改定は、単なる正しい制度構築ではない。ジェイリースがこれから先どういう会社になりたいか。ありたき姿を先に描き、そのために必要な制度を逆算して作っていく必要がある』。それを聞き、深く納得しましたね。これからやることの意味、その背後にある大きな目的を、チームが認識できた瞬間でした」

そして、提出されたキーワードは「何度でも立ち上がれる、しなやかな未来をつくるために」。我々の中核業務である家賃保証とは、お金にまつわる不安を解消し、誰もが自分の人生をまっとうできる社会をつくること。この存在意義を規定する気づきになりました。
山﨑さま
「おそらく人事制度専門のコンサル企業に依頼しても、このような本質的な言葉は出てこなかったでしょう。コミュニケーションと言葉を扱う専門家だからこその提案だなと、感心しましたね」


「保証事業とは、人の生活を間接的に支えていくもの。ともすれば、どう人の役に立っているか、見えにくいこともあると思います。しかし、企業が自分たちの存在意義を確認することは、とても重要なこと。だからまず、それを言葉にして皆で認識する必要があったと思います」

そして、人事制度改革に向けたロードマップを策定。将来のありたき姿と現状のズレや課題を深掘りし、段階的に制度を整えていくことになりました。

自分たちの将来は、自分たちで決める

 

プロジェクトチームの組成にも、注意を払いました。ジェイリースはこれまで、創業社長のトップダウン色が強く、社長の指示に従って行動する企業文化でした。しかし、会社の将来を考え、より良い制度を作っていくためには、社員それぞれが“自分ごと”としてプロジェクトに向き合う必要があります。そのため、若手社員を中心に8つのチームを作り、ボトムアップでの制度改定を目指しました。

山﨑さま
「今回のプロジェクトは、企業文化そのものの更新でもありました。総論賛成、各論反対といった曖昧な関わり方をなくし、ジェイリースの将来を自分たちで決めるという意志が必要だったんです。もし経営層のトップダウンで実行していたら、どこか他人事のように思われてしまったかもしれません」


「総勢80名、全社員の1/5にあたる人がこのプロジェクトに関わってくれました。さまざまな意見を回収する中で、まとめ切れるのか不安もよぎりましたが、最終的には関わった人みんなが納得いただけるものになったと思っています」

当初の目的は人事制度の刷新でしたが、その達成のためには、根本から考え直す必要がありました。ジェイリースにはすでに企業理念とミッション、行動指針がありましたが、今回のプロジェクトで未来ビジョンが定まり、これらを実行していくのに相応しい企業文化も明文化することができました。

困った時に頼れる総合医のように

その後、意思決定の拠り所となる指針として「人事マネジメントポリシー」を策定し、制度設計や施策に落とし込んでいきました。等級の基準を新しく定め、評価方法を刷新し、報酬手当も全面的に改定。結果、透明性が確保され、不公平感がなくなったことで、社員一人ひとりが納得して仕事にあたれるようになりました。

山﨑さま
「新しい制度はまだ運用が始まったばかりですが、社員からはいい反応を得ています。電通さんに手伝っていただくフェーズは一旦終了しましたが、立ち帰る場所を規定できたことで、自分たちで迷わずに進めていけると思います」


「私たち電通グループは、広告やマーケティングの世界で人に寄り添い、人を動かす仕事をしてきた、コミュニケーションの専門家です。企業が抱える課題が多様化し、複雑化する中で、これまで培ってきた経験値を企業の内部向けにもっと活用できるはず。今後も、単なる受発注の関係を超えて共創型のプロジェクトを増やし、クライアントのグロースに貢献していきたいと思っています」

今回のジェイリースと同様に、変革期にある企業がひと皮剥けた存在になるべく、試行錯誤している例は多いのではないでしょうか。そんな時、電通九州や電通グループはどんな支援が可能なのか。最後に山﨑さんに、電通九州や電通グループに期待することを聞いてみました。

山﨑さま
「企業もまた個人と同じように、時には不調を感じて、誰かに診てもらいたくなるものです。自分で処方箋がわかるならいいですが、不調の原因が自分たちではわからないケースも多いはず。そんな時、電通グループがかかりつけの総合医のように近くにいてくれたら、頼りになりますね」


ジェイリース社員の高い意欲と、電通グループの幅広い提案力により実現した、今回の人事制度改革。仕事の足固めを成功させたジェイリースが、これからどんな飛躍を見せてくれるのか、楽しみです。

人事制度設計、インナーアクティベーション領域に関するご相談は、こちらからご連絡ください。
問い合わせ先:株式会社電通九州 ビジネスプロデュース局